市川 祥子さん
老舗旅館「いち川」
料理人
三浦道典さん
恵那市東野。明智鉄道東野駅から徒歩5分、長閑な田園風景に溶け込んで、洋風懐石料理のお店『道てん』はあります。
市内はもちろん、市外からのファンも多く、店内には、お客様から頂いたというお花や小物がちらほら。お客様に愛される『道てん』店主 三浦道典さんにお話を伺いました。
―お店についておしえてください。
平成9年に開店しました。元々洋食を専門にしていましたが、地域柄和食を好む方が多いかなと思って、洋風の懐石料理をお出ししています。
―お客様はどういった方ですか?
地元の方は、無尽(地域の集まり)のランチは多いです。結婚前の顔合わせとか法事とか家族のイベントで使ってもらうこともありますね。
遠方からは、多治見の方とか、どこで知ったのか来てくれたりします。
ランチは女性が多くて、口コミで繋いでくれているみたいです。あと、リピーターのお客さんが多いですね。
―年齢層も幅広そうですね。お座敷だけでなく、テーブル席もあるので、年配の方も安心ですね。
そう、今は、みなさんテーブル席を好まれますね。テーブルでも床は畳敷きです。
―仕出しもされると伺いましたが。
配達はしていませんが、お弁当の注文を受けて作ります。おせちも毎年注文してくれるお客さんがいて、作らせてもらっています。喜んでもらっているようです。冷凍品じゃないしね。
―お料理を作るうえで、大切にされていることは?
鮮度にはこだわっています。食材も生のものを使うように。
―地元食材は使われていますか?
ほぼ一人でまわしているので、なかなか地元の食材を買いに行くことができないけれど、お米は岩村町のものを使っています。そこは、玄米を冷蔵庫で保管していて、必要な分だけ30キロ単位で精米して持ってきてくれる。つきたてのお米は美味しいよね。お客さんからも「ご飯が美味しい」と、よく言われます。お米屋さんを紹介して買ってもらったけど、家ではうまく炊けなかったとか。
―美味しいご飯の秘訣は、つきたてだけじゃないのですね?
そうだね、研ぎ方とか洗い方、水加減とか、きちっと計りきれない加減みたいなものがありますね。技というか、家庭でもやってもらえると思うけど、(お米に対する)ちょっとした気配りとかそういうのかな。あと、うちはアルカリ水を使うようにしています。
―店内にはお花がたくさんあって、とても素敵ですね。
お客さんがね、持ってきてくれて。で、お客さんのお食事中にスタッフが生けてくれて、お客さんはお帰りの時に、喜んでくれる。スタッフの気遣いもうれしいですね。また、次に来店される時に季節の花を持ってきてくれます。ありがたいことですね。
お花もだけど、このコースターもお客さんが持ってきてくれたの。みんな器用だね。
ー最後に、今後の展望について教えてください。
店を始めて、あっという間に21年目になって、始めたころは65才で辞めようと思ってたんだけど、お客さんが帰り際に「来年も予約入れといて」と言われると、来年まで続けないとな、と思います。身体が元気な限り続けていきたいですね。