恵那の食に挑戦する 料理人

中尾 洋一さん

いろりの郷 奈かお

  • 料理人

 

恵那市三郷町に佇む、1日1組限定の隠れ家的料理屋「いろりの郷 奈かお」。

お店を営んでいるのは、この道40年のベテラン猟師の中尾洋一さんと奥さんの敏子さんです。

 

囲炉裏をかこみながら、猪や鹿などのジビエを使った郷土料理や、昔ながらの手作りの味、栽培から行うこだわりの手打ち蕎麦を楽しめる贅沢な空間に、東京や名古屋から訪れる人が後を絶ちません。

 

中尾さん夫妻に、狩猟やジビエ料理についてお話を伺いました。

 

 

ー中尾さんは、いつから狩猟を始めたんですか?

 

狩猟はもう41年間やっていますが、もともとは鳥を捕まえていました。

いのしし、シカをとるようになったのはここ5.6年です。

 

ジビエはフランス語で「野生鳥獣の肉」のことを指しています。

従来は野生鳥獣は有害なものだから駆除をしよう、ということで基本的には埋めるか焼却をしていましたが、やはりジビエという地域資源を有効に使って、皆さんに提供できないかと思い始めました。

 

趣味としての狩猟の世界で友達にお肉をあげるならまだいいですが、商売するとなると安全面が大事になります。解体処理施設や保健所の許可を取ろうと思い、それから友達と2人で解体処理施設(平成27年12月)を立ち上げました。今はジビエの解体処理施設は恵那に2軒しかありません。

 

 

ー狩猟はどのようにやっているんですか?

 

三郷地区では、猟友会に11人所属して狩猟を行っています。またその内4人が有害駆除を行っています。3日に1回くらい、約1時間半えさやりと捕獲確認をしていて、年間で平均30頭くらい獲ります。

 

捕獲したイノシシの中でも、お客さんに食べてもらうイノシシは、50kg未満のイノシシだけです。50kg以上のものは基本的に固いので、初めて食べた人でも柔らかいと思ってもらえるもののみをお客さんに出しています。

 

またイノシシは血抜きがとても大切。檻にかかっているイノシシを、逃げないように檻の中に入れたまま止め刺しをすると、末端の血管まで血抜きができます。

 

反対に、死んでしまうと、末端まで通っている毛細血管の血がが腐ってしまいます。これはどうやっても取れないので、臭くて食べることができません。

 

初めてのお客さんは、イノシシと聞いただけで「くさい、固い」と思う方がいますが、そういうお客さんでもここでジビエを食べると「イノシシってこんなに美味しいの!」と言ってくださったり、全然普段肉を食べないという方でも肉を食べたりします。

 

奥さん:うれしそうな顔をしてくださったり、美味しいって言ってくださったりすると自分も本当にうれしいし、そこに一番の幸せを感じます。

 

 

ーいろりの郷 奈かおでは、どんな料理を食べることができますか?

 

奥さん:いのししは、スペアリブ・味噌漬け・おやき・ベーコン・ソーセージ・ハム、角煮、どて煮、しし鍋などにしています。他にも鹿のローストなど、だいたい夜は10種類くらいのものを出しています。

 

いのししのどて煮は、岐阜県のジビエコンクールにも出品しました。黒砂糖と豆味噌と一緒に、二日間くらい煮てあります。スープを出すのに1日かかるので、仕上がるまでに3日かかります。

 

 

ー中尾さんは蕎麦も作っていらっしゃるんですよね?

 

趣味でやっていた時も含めると6年近くやっています。

それから8年前に退職してから土地が空いているところがあったので、この周囲で種をまいて、育て始めました。

 

最初のスタートは市の市民講座で習いました。後は、そばのお店をやっている人にいろいろ聞いて試行錯誤しながら、1反くらいで始めて、今はその2~3倍作っています。

 

作った蕎麦は全て手打ちにしていて、お客さんに出す2時間前からしか打たないので、香りが良いと言っていただいていますね。

 

 

ー最後に、これからやっていきたいことを教えてください!

 

恵那市保健所管内の解体処理施設がいろりの郷 奈かおと隣接していますので、ここでは一般の方でもロースやモモ肉などのジビエを買うことができます。

 

ジビエをもっといろんな方に食べていただいて、本当の美味しさを伝えていきたいです。

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