恵那の食に挑戦する 農業人

AKジビエ研究会

藤本 勝彦さん

  • 農業人
AKジビエ研究会

恵那市明智町・串原の猟師を中心に有志で結成されている「AKジビエ研究会」。

「AK」とは「明智(Akechi)・串原(Kushihara)」そして「オール恵南(All keinan)」の略で、猟師の様々なグループが一体となって活動しています。

 

明智出身の猟師、藤本勝彦さんに、代々伝わる狩猟の方法や、その奥深さ、また今後の展望をお聞きしました。

 

 

ー藤本さんが狩猟を始めたのはいつですか?

 

30歳から狩猟をはじめて、これで25年になります。

うちはおおおじいさんからずっと狩猟家族だったので、小さい頃から猟犬を飼って、朝から晩まで山に連れて狩猟をするのをずっと見ていました。

 

河川が変わったり山が崩れたりで多少変化することはあってもイノシシが通る道は代々一緒。子供のころからの経験のおかげで、どの山にイノシシが来るのか、どの道を通るのかということも大体分かります。

 

 

ー狩猟はどのようにに行うんですか?

 

罠を仕掛ける方法と、猟犬と山に入って鉄砲を使う2種類があって、今は罠を仕掛けてそれを見回るのが主流です。

 

罠の場合は、檻とくくり罠を使って引っかかったイノシシを、電気ショックや銃、または鼻と足を引っ張った状態で動けない状態にして、心臓をナイフで刺す方法などがあります。80キロ以上のイノシシになると、銃で撃つのがほとんどです。

 

猟犬と山に入る場合は、犬がイノシシを追ってそれを鉄砲で撃つという方法です。

日本犬は、小さい時からもう山へ連れて行って離して遊んであげると、本能的にイノシシの匂いに沿って山に行きます。

 

 

ー藤本さんが、狩猟時に大切にしていることはなんですか?

 

「イノシシならなんでもかんでも取ればいい」という訳ではないということです。

 

狩猟というのは「イノシシと犬と僕の駆け引き」であって、それを楽しむということだと思います。

 

またそれとは別で、農家にとってはせっかく作った農作物が荒らされると困るので、駆除していくべきだと思っています。

ただイノシシにも小さい子どもがいるのを見ると、かわいそうだと感じて心の葛藤があるので、獣害駆除としてやっている時と狩猟としてやっている時は気持ちを切り替えています。

 

若い人たちで狩猟の免許を取っている人が多いですが、狩猟の本当の奥深さは知らない人が多いなと思います。

今はインターネットの社会になって、自分で自由に生きればいいというのが主流なので、僕たちが見てきたのも1つのやり方でありつつ違うやり方でもできるんだと思います。ただ、動物にはインターネットがないので、自然との戦いになるのは変わりません、このあたりの感覚を若い人たちにどう伝えるのがいいのかな、というのは考えています。

 

 

狩猟の醍醐味は、一般の人にはなかなか伝わらないですよね。

 

僕たちは生活の一部に銃があり、銃は危ないけれど安全に使えば良いということを覚えていますが、鉄砲を担いで親が出てくるなんていう家庭は普通はありません。

でも鉄砲を使うには、警察で許可をとって射撃場で打って、家庭環境などを調べてこの人には許可を出していいですよとなって、それから鉄砲を買いにってそれを見せにいって、という手順が必要なので、誰も取らないです。

 

この地域でも鉄砲を持っている人は本当に少なくて、串原に2人、明智に4人いるだけです。

 

AKジビエ研究会の製品

 

 

AKジビエ研究会ではどんなことしているんですか?

 

猟師の方は各地域にいますが、1頭とっても自宅で処理をすることはできません。

ジビエを売ろうと思うと解体施設が必要ですが、施設を作るにはお金がかかるので、仲間で一緒に作ろうということを目的に立ち上げました。

 

今は愛知県で解体をしている時もありますが、岐阜県で狩猟と解体を行わないと「岐阜ジビエ」とはいえないので、岐阜ジビエを普及させるためにもやっていきたいと思います。

 

 

ーこれからどんなことを目指していきたいですか?

 

解体施設を作るために立ち上げた団体ですが、それだけではジビエは広がっていかないので、しっかり時間をかけてジビエの販売先やお客さんの求めていることを調べていきたいと思います。

 

また安定供給をして商売に乗せよう思うと、今の何倍もの量が必要になります。

明智や串原、そして恵那市全体でイノシシを獲る組織を作っていって、ジビエ活用を含めこの取り組みをみんなでもっと大きくしていきたいです。

生産者情報

AKジビエ研究会

一覧へもどる

農業人一覧