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2021年6月1日

無肥料・無農薬で野菜づくりを学ぼう“家庭菜園教室”

 

 

 

5月下旬のよく晴れた日曜日、恵那市山岡町にある『Satoyama FARM School 山里楽耕』では、恵那市中野方町で土づくりを大切にして無肥料・無農薬での野菜づくりをしている「大江自然農園」大江栄三さんを講師に迎えて【家庭菜園教室】が開かれました。

 

 

これは、Satoyama FARM School 山里楽耕の安藤由美子さんが担う、岐阜県の「岐阜県ふるさと水と土指導員」事業の一環として、地域住民に農業に関心をもち体験してもらうことを目的とした活動です。

 

 

今回の家庭菜園教室は初心者向けで、参加者は毎月第4日曜日に安藤さんが管理する教室専用の畑に来て一緒に作業をし、大江さんからは隔月で「農薬不使用・無肥料での土づくりと野菜栽培」の指導を受けることができる内容です。

 

 

「これから少しずつでも畑づくりをしていこう」という意欲ある方々が繋がって情報交換したりする場をつくっていけたらという安藤さんの思いに共鳴し、SNSを通して応募された方々から抽選で参加されたのは、小さなお子さんを育てる親子、市内に移住されてきた方々ら8組でした。

 

 

Satoyama FARM School 山里楽耕フェイスブックページ

https://www.facebook.com/yamazatogakko/

 

 

 

 

 

 

Satoyama FARM School 山里楽耕は、恵那市山岡町で里山の暮らし体験プログラムを運営しています。

 

 

山仕事や野あそび・お百姓さんの手仕事を体験できる“ぼうけんくらす”や、自然に沿った食を体験できる“台所くらす”など、恵那ならではの懐かしくて楽しい体験が小さな子ども連れの親子でも気軽にできることで人気です。

 

 

また、都市部に住む方々からも、薪割りをして、竈でご飯を炊いて食べたり、味噌づくりやこんにゃくづくり体験、炭焼きやキノコの菌打ち体験、野草教室やリースづくりのワークショップなどの自然体験プログラムが好評を得ており、何度もリピートして訪れる方もいらっしゃるほど。

 

 

誰もが懐かしさにほっとする日本の原風景が、現代を生きる人々を引き寄せるのでしょう。

 

 

 

 

 

そんなSatoyama FARM School 山里楽耕で行われている家庭菜園教室。

 

 

参加者は「畑で自分たちが食べる野菜を育てるなら、成りや形が悪くても、できるだけ無農薬・無肥料で育てた安心安全なものを育てたい」と思う人ばかりで、大江さんの栽培ノウハウを知ることができるのならと嬉々としてやってきています。

 

 

大江さんの考える【自然農法】は、山や森の土が草木が育て、その実りが恵みとなって循環されるように、畑の土も同じような環境づくりをしていけば植物(野菜)が強く育つという考え方のもとで、まずは土づくりを基礎とし、昔ながらの野菜を種から育てています。

 

 

「僕の理想とするものは、山の土をよく観察し、その状態を畑でも実現できたら健康な野菜が育つというものです。

 

 

山の手入れは誰も肥料や農薬をかけないのに、樹木は大きく育っているし、毎年実をつけ恵みをもたらしています。

 

 

なぜだろうと観察したとき、土の中にはたくさんの微生物が住んでいて、その微生物の働きによって土はつくられ、木はその養分を吸って大きくなっていることが分かりました。

 

 

微生物というのは菌です。菌が糸のように繋がって働き、落ち葉や枯れ枝を餌に土をつくっているのです。

 

 

発酵が完全でないと虫が寄ってきたりします。まだ分解されていないんですね。

 

 

そんなことを畑に置き換えて工夫しながら土づくりをし、野菜を育てています。」

 

 

 

 

安藤さんは、大江さんの指導のもと昨年の冬から土づくりを始めていました。
春に夏野菜の苗を畑に植えるためには、手間と時間をかけて土づくりが行われてたと思うと驚きです。

 

 

この日は野菜を植える畝の上に刈り取った草が敷き詰められ、土の表面が太陽にさらされないように敷き詰められていました。

 

 

いよいよ、苗の定植です。

 

 

小さな子どもも大人もスコップを持って、大江さんが種から育てたピーマン、ナス、シシトウ、キュウリ、トマト、インゲン、ズッキーニ、カボチャと、いろんな品種の苗を定植していきます。

 

 

大江さんから定植の際のコツを教えてもらいながら、ひとつずつ丁寧に定植作業はされていきました。

 

 

みんな、大きくなあれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さんと兄弟二人とで参加していた小学1年生の黒田六花(りっか)ちゃんは、ミニトマトの苗を植えたあと支柱を立て、苗が支柱にしっかり沿っていくよう茎と支柱とを紐でゆるく結ぶ作業を体験しました。太陽の強い日差しを受けながらも、根気よく作業する六花ちゃん。

 

 

「棒を挿すのが楽しかった。トマトを植えるのは2回目。ここへ来たのも2回目だよ。」
と話してくれました。

 

 

お母さんの文(あや)さんは、「嫁ぎ先の母の畑を引き継いで野菜づくりを始めたばかりなんです。でも、どうやって土をつくっていくのかわからない。今日はとても勉強になりました。今後は定植後の育て方を知りたいです。」

 

 

 

 

植物が太陽の日差しを受け大きく育ってくれるためには、植物の状態をよく観察し、土にどんなエネルギーが必要かを見極めること。

 

 

どんな方法であれば、より自然に農産物ができるかを考え選択すること。
エネルギーのバトンタッチをめぐらせながら野菜をつくる大江さんの教えに、参加者は深くうなずくばかりです。
そして子どもたちは、畑に限らず、野山を楽しそうにめぐって遊んでいます。

 

 

安藤さんが思う、自然とともにある暮らしを実現し、心豊かな未来を創造できる人材が育っている様子が垣間見れるような、そんな家庭菜園教室でした。

 

 

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