恵那市中野方14人のメンバーで活動している、農事組合法人「アグリアシスト中野方」。

アグリアシスト中野方は、恵那市最北部、笠置山の麓に広がる谷間の美しい田園を守るため、「援農かさぎ山」など6つの営農団体を母体に平成28年に設立されました。

 

 

ーみなさんの経歴を教えてください！

 

＜鈴村さん　写真　右　＞

自分の家には農地がなかったのですが、農業高校を卒業してからJAで畜産をメインに営農関係の仕事をして、昭和59年に退職しました。

アグリアシストとの関わりは、前身となる耕作放棄地への対策をするグループを平成19年に6人くらいで作ったことが始まりで、当時は1町歩くらいでしたが、だんだんと増えて28年に法人化をした頃には、6町歩くらいになっていました。今62歳です。

 

＜林さん　写真　左　＞

高校を卒業してから農協に入って、65歳まで45年働いていました。農協を卒業するのと同じくらいの時期に中山間の立ち上げがあったので、事務担当として入りました。

 

＜安江さん　写真　中央　＞

工業高校を卒業して、市役所に入って61歳で退職しました。もともと百姓で田んぼをやっていて、特に両親が田んぼをやらなくなってからの10年間は本格的にやっていました。その後アグリアシストに入って、今64歳です。

 

 

 

ー2017年に、JAひがしみが主催する「第1回ひがしみの地域おいしいお米コンテスト」の中で、139点の中から最優秀賞を獲得したそうですね。

 

コンテストでは、予選として「食味計」で玄米の美味しさを計測して、そのあとお米を炊いてから「味度」を測って、その中でも特に評価の高いものを審査員が実食します。

「米・食味分析鑑定コンクール：国際大会」というお米の国際大会に準じて、同じ釜・同じ水・同じ炊き方でお米を炊いて、匂い、外観、硬さ、粘り、味の5つの項目で投票して評価する仕組みです。

 

個人や団体からの応募があった130点ほどのお米の中１位になれたのは、寒い環境の中で育つと美味しいからというのもあると思います。

 

 

 

ーアグリアシスト中野方で、こだわっていることや大切にしていることはなんですか？

 

まず基本的に、耕作放棄地が少しでも減って、中野方の景観を守っていくことです。

 

その上で、人が住んでくれる中野方町を作っていきたいと思います。

ほかっていたら中野方町の人口はどんどん減ってしまうことに危機感があって、外から人が来て住んでくれることもですが、今住んでいる人が離れて言ってしまっては意味がないんです。

 

この町が残っていって、ここに住みたいと思うような子供たちを育てていかないといけないと思っています。

そのための1つとして、こども園や小学生向けの農業体験を行なっているんですが、それに20代30代の親さんも参加することで、親さんの方がびっくりしていることがあります。

 

去年落花生の収穫体験をやったら、落花生が土の中で育つことを知らない親さんがいたんです。

僕らもそれを見て「こんなに感覚が違うんだ」と知って、子どもに教えるよりも親に教えた方がいいと思いました。

 

また、地元の方だでけでなく、中京圏や大阪圏の人を主な対象にこれから農泊事業をやっていきたいと思っています。

田植えや稲刈りなどの農業体験をしていってもらいたいです。

 

 

 

ー今後やっていきたいことを教えてください！

 

今は業務の多くをボランティアでやっていますが、後継者を作ることを考えて運営していきたいと思っています。

専従の人を雇うことが考えられない組織も多いですが、担い手づくりという意味で、これから子供を育てていく世代が勤めたいと思うよううな組織になるように、事業として収益が出せるようにしていくことが大切だと思います。

 

今は野菜が安すぎて、ほとんどの人が農業だけでは食べていけず、他のことをやらないと生きていけない状態ですが、それは本当はおかしくて、百姓だけで食べていかなきゃいけないと思います。

 

農業は、野菜を長い期間育てていても、お金になるのは短い期間です。そうでない期間にお給料を払えなくなってしまうので、将来的には施設園芸なども視野に入れて、収益的に回っていくとようにしたいです。その点では、お米は保存管理がしやすくて良いと思います。

 

本当に組織として回していくために、配当がきちんとあって役員がしっかり座っていく組織にを目指していきたいです。

現状では、若い人に本業とは別に休みの人に何度もきてらもらうのは大変だと思うので、何回か参加してもらえれば嬉しいなと思います。

 

住所：岐阜県恵那市中野方町1710番地3

 

▸ 一覧へもどる