恵那の食に挑戦する 農業人

安藤養鶏場

安藤 太陽さん

  • 農業人

 

恵那市の南部、町の95%を森林が占める上矢作町にある『安藤養鶏場』。

養鶏場直営の「たまごや喫茶 らんらん」は、新鮮卵を使ったオムライスと食べ放題のゆで卵が評判で、地元の人やバイカーでいつも賑わいをみせています。

 

安全・安全にこだわった卵を生産する安藤養鶏場・安藤太陽さんにお話を伺いました。

 

 

ー安藤養鶏場では、どのような鶏を飼育しているのですか?

 

「父と一緒に、純国産鶏「もみじ」8000羽を飼育しています。

「もみじ」は年間産卵率が少なくて卵の単価も高くなる品種ですが、病気に強くて、小規模には適していること、それから冬の寒さにも夏の暑さにも強い。

いくつかの品種を試した中でも、上矢作での環境で生産するのに向いている鶏です。」

 

 

安藤養鶏場は、現在の養鶏場主である太陽さんで三代目。まだ卵の流通量が貴重だった時代、おじいさんが町へリアカーを引いて販売に出たことが始まりだそう。

二代目の誠一郎さんの代で近代化し、養鶏場も大きくなりました。

 

 

ー生産では、どんなことにこだわっていますか?

 

「僕は、卵の味は、餌・環境・水で決まると考えています。

 

地元の人が食べて喜んでもらえるような、品質の良い、安心・安全な卵をつくりたい。だから、何と言っても餌にはこだわります。

 

資料には遺伝子組み換えをしていない大豆、とうもろこし、お米(飼料用米)などの原料を取り寄せ、自家配合をしています。こういう方法を取っているのは、全国でも数%しかないそうです。飼料用米は恵那市の飯地町から取り寄せています。国産自給率もあがるでしょ。

 

それから水は、裏山からの湧き水を使っています。上矢作は、水が美味しいんです。僕もこの水で育ったから、水道水で炊いたご飯かそうでないかを味比べできるくらい分かっちゃう。年間を通して一定の温度で、味がいい。自慢の水ですよ。」

 

 

「もう一点、うちはヒヨコから育てることにこだわっています。

ヒヨコはとても繊細で、少しでもドアを強く締めるなどの大きな音でも、びっくりしてギューッと集まり、圧迫死してしまうんです。元気のいいヒヨコほど、中へ潜り込もうとするから犠牲になりやすい。リスクが高いから、通常は少し成長したもの(人間でいうと中学生くらい)を買ってきて育て始めます。

 

でも「その鶏がどれくらい卵を産むのか」という性能は、小さいうちに決まるので、ヒヨコの段階から安藤養鶏場の環境下で育てることにこだわっています。」

 

 

 

ー安藤さんが考える『おいしい卵』とはどんなものですか?

 

「うーん、そうだねぇ。トロっとした白身の盛り上がりと、深みのあるコクの黄身。とれたて新鮮なこと。

 

僕は、それぞれみんなが「うまい」って思う方法、好きな食べ方で食べてもらうのが一番だと思いますよ。」

 

 

 

ー今後の目標、取り組みたいことを教えてください。

 

「僕も家族も、町に生かしてもらっているから、町と町の人を大事にしたい。自分で直接届けることは、これからも絶対に続けたいことです。

 

町のおばあちゃんに電話一本で届けに行くこともあって、普通に利益だけを考えたら一人のために車で片道15分を走るのはためらうと思うけど、僕の卵を待っていてくれる。やっぱり、顔の見える近くの人に美味しいと言われたいじゃないですか。待っててくれる人がいる限り、やめられんですね。」

 

 

【販売情報等】

安藤養鶏所の卵は、直営の「たまごや喫茶らんらん」や、道の駅・小売店で購入することができます。

たまごや喫茶 らんらん

岐阜県恵那市上矢作町漆原123

電話:0573-48-3090

 

 

生産者情報

安藤養鶏場

TEL 0573-47-2825、090-4165-4240

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