恵那の食に挑戦する 農業人

串原養豚

石原 弦さん

  • 農業人

 

自然豊かな、恵那市串原。

山林に囲まれ、初夏から梅雨の季節にかけてささゆりの花が咲きます。

この地で養豚を営む、串原養豚。

豚本来の習性に合わせて飼育するというこだわりを持ち、奮闘し続ける石原 弦さんに今の想いを

聞いてきました。

 

 

 

串原養豚の飼育のこだわりはありますか?

 

こだわっていることは、三つあります。一つは遺伝子組み換えでない原料の飼料を使うことです

環境に対する問題もですが、将来にわたりなるべく安全なものを使いたいという思いから使用

しています。もう一つは、成長促進を目的とした抗生物質を使用していないこと。

 

最後に、アニマルウェルフェア()という考え方に積極的に取り組んでいることです。

 

アニマルウェルフェア…“人も動物も満たされて生きるという概念である。アニマルウェルフェ

ア畜産とは家畜を行動要求満足度の高い生活状態で飼育する生産システム。そのことによって人

も家畜から安全で質の高いウェルフェア食品と精神的な「癒し」をも与えられるという、 人と家

畜とが相互依存するウェルフェア共生システムと定義

 

 

 

アニマルウェルフェアに取り組むきっかけとなったのは何だったのでしょう?

 

これまで、畜産というのはどれだけ人間側の都合に合わせられるかという考え方でやってきたと

思うんです。この考え方が自分の中で、行き過ぎているような感覚がありました。豚の持ってい

る性質や習性を理解して、どれだけ豚の都合に合わせていけるかという考え方を実践したいと思ったのがきっかけです。

 

アニマルウェルフェアに取り組んでみたら、豚の個性をすごく感じるようになりました。個性が

あると管理の面では難しいです。ですが、一頭一頭にそれぞれの特徴があって面白く、毎日世話

をしていると可愛いと感じます。

 

 

 

家畜のことを考えた取り組みをされているんですね。串原養豚ならではの特徴はありますか?

 

串原養豚は、山のハム工房ゴーバルと一体となって生産と販売を行なっているのが特徴です。

 

遺伝子組み換えでない飼料を使ったり、アニマルウェルフェアに取り組んだりするとコストがか

かるのですが、販売と連携してお客さんと直接つながっているので、こだわりや取り組みを評価

してもらい購入してもらえることが嬉しいですし、より真剣に取り組もうと思えます。

 

 

 

こだわりのある飼育を石原さんお一人でやっていて大変ではないですか?

 

実際の養豚の作業は、ゴーバルから応援に来てもらってやっているので、作業面で大変だと感じ

たことはないですね。

 

ゴーバルのスタッフは移住者が多く、研修に来てそのまま定住する方もいます。一緒に仕事と生

活をしながら、いつの間にか根付いてくれている。

 

仕事だけのつながりだけではないので活気があり、スタッフ同士の仲も良くてありがたいです。

 

 

 

今後、串原養豚はどのような方向を目指していきますか?

 

アニマルウェルフェアの取り組みに関しては、以前から興味があって、できる範囲のことをやっていました。

 

今回、CSF(豚熱=豚コレラ)で豚がいなくなって再開するにあたり、思い切って徹底して取り組みたいと思いました。そのために、豚舎の設備も改修してきました。

 

こういった取り組みを国内に本腰を入れて取り組んでいる方の情報が少ないので手探りではありますが、自分たちで都度、試行錯誤しながら豚と向き合い考えてやっていくしかないですね。コストもかかるし、効率も悪いですが、美味しい豚肉をお届けするために皆さんに応援してもらいたいと思っています。

 

 

 

 

【生産者情報】

社名           串原養豚

代表者名         石原

従業員数         1

会社の大きさ(敷地面積) 約20,000㎡

飼育数          母豚55頭 子豚97頭 (2021年1月現在)

生産体制         繁殖肥育一貫経営

住所           恵那市串原西木根3000–3

ホームページ       https://gobar.shop-pro.jp

Instagram                          https://www.instagram.com/kusi_ton/

取材日   2021年(令和3年)17

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串原養豚

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