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2022年8月24日

令和4年『恵那の味・伝承講座』が始まりました。

 

 

 

『恵那の味・つたえ隊』は市内各地の農業女性による食文化の伝承、地産地消の推進、食育活動を行っているグループです。活動のひとつに『恵那の味・伝承講座』があります。これは30年以上続く料理教室で、募集開始後すぐに満員となる人気の講座です。

恵那には、からすみや朴葉寿司、栗おこわ、こんにゃくや寒天料理など、地域の食材を使った郷土色あふれるレシピがたくさんあります。農村の季節を感じる手作りの味を、農業に携わってきた女性たちが講師となり伝えていくことで、恵那の豊かな自然環境と人々の暮らしが続いていくことを願ってきました。毎年、農村に暮らす女性たちの創意工夫を学べる講座として人気を博しています。

今年は、過去2年、新型コロナウィルス感染症予防のため中止となっていた講座を3年ぶりに再開しています。

参加定員は例年の半数に制限し、調理後の試食はせず、それぞれお持ち帰りして家庭でゆっくり味わうスタイルに変更しました。今年の参加者さんは、30代から70代までの17名、そのうち男性はお一人です。それぞれが6テーブルに分かれてグループごとに作業しています。

 

 

 

 

 

 

6月8日 山岡おばあちゃん市の講師による『朴葉寿司』づくり


 

この日の講師は、「道の駅・山岡おばあちゃん市」から浅井三枝子さん、小木曽晴美さん、林政子さんの3名をお迎えして『朴葉寿司』を作りました。道の駅の駅長である浅井さんと、同じ系列の「山岡のおばあちゃんの手づくりの店」でキッチンスタッフとしてお弁当やお惣菜をつくっている小木曽さん、林さん。事前準備や打ち合わせを念入りに行い、当日を迎えました。

 

山岡町といえば細寒天の里として全国的にも有名な地域です。

「道の駅・山岡おばあちゃん市」「山岡のおばあちゃんの手づくりの店」で販売されているお弁当にはもちろん、寒天を使った料理が提供されています。その他のメニューは、そこで働くスタッフたちが普段食べている料理を再現したものばかりで、素朴で懐かしい味わいが人気です。

他にも、地域で採れた野菜、餅やからすみなどの菓子類、豆腐やこんにゃく、旬のおかずが並び、恵那の味を感じる食ばかり。

まさに、おばあちゃんの味を伝えるプラットフォームです。

 

 

 

 

 

 

山岡のおばあちゃん市では毎年6月に入ると朴葉寿司が販売されています。

講師の方々は今まで何万個と朴葉寿司を作ってきたばかりで、考えなくても手が動きますが、今日は講座参加者さんのために朴葉の洗い方、すし飯の作り方、朴葉に寿司を包む方法など、ゆっくりわかるようにデモンストレーションをしてくれました。

 

ひととおりのデモンストレーションが終わると、いよいよ参加者さんらの作業が始まります。それぞれのテーブルに分かれ、朴葉を洗って拭く人、錦糸卵をつくる人と分担しながら作業をし、賑やかに作業が進んでいました。講師の方々はそれぞれのテーブルを見回り、作業ポイントや朴葉寿司にまつわる話をしていきます。

 

 

「今年の朴葉は、まんだきれいやに。あんまり早よから(気候が)暖かくなるもんで、早よ終わってまうんやないか心配しとったけど大丈夫やったわ」

 

「酢飯は冷めてから(葉っぱに)のせなかんに。温ったかいうちにのせると葉っぱが茶色くなってまうで、せっかく綺麗につくってもたるいら」

 

「どこに何をのせようかね~。葉っぱを広げたときのことを考えながらのせてくの」

 

 

 

 

 

 

 

 

伝承講座では毎年、初対面の参加者同士でも食を通した共通の話題で盛り上がったり、世代の違う交流が見られる講座です。

経験豊富な人は教える側にまわったり、子育て中のお母さんは子どもの話をしたりしてグループごとに和やかなムードの中で進んでいきます。

それぞれの暮らしの様子、暮らしの中の食を垣間見ることは楽しいものです。

 

昔は、伝承の味とはそれぞれの家の中、親と子の関係性で伝えられてきたものでしたが、現代は生活スタイルの違いからそれができる家庭ばかりではありません。

懐かしい食を学ぶ「恵那の味・伝承講座」は、懐かしい暮らしの中にあった心の交流も体験できる講座なのかもしれません。

 

 

 

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