恵那の食に挑戦する 料理人

市川 祥子さん

老舗旅館「いち川」

  • 料理人
旅館いちかわ

 

「またお越しください。よい旅を。」

 

江戸時代の寛永年間、中山道大井宿で旅籠はたご屋や「角屋」から始まって以来、約400年続く老舗旅館「いち川」。

元気ハツラツ、笑顔が素敵な若女将のファンも多いのではないでしょうか。

 

お泊りのお客様だけでなく、玄米菜食・地元野菜を使った「マクロビオティック」ランチや夜のコース料理も楽しむことができる旅館です。

 

 

ーいち川には、どんな人が訪れていますか?

 

「ランチだけ、夜だけ、お泊りに、また長い旅の途中の方や、マクロビのところばかり巡っていらっしゃる方など、色々なパターンがあります。

 

旅館に泊まる方は、中山道を歩く外国のお客様が、旅で来ることが多く、お食事は日本人の方で、幅広い年代の方ですね。お昼は、女子会やご家族、お母さんや90代の方々の集まり、またバス旅行で、どこか他のところで遊ぶ前や後にいらっしゃいます。近所の方は、無尽や歓送迎会などに使ってくださることが多いです。」

 

 

ーどんなお料理が人気ですか?

 

「お昼の時間帯は、平日はしぶろく御膳やミニ懐石、土日には会席コースが多いです。

どのメニューも1月ごとに変わるようにしていて、なるべく旬のものをお出しするようにしています。」

 

 

ー地元の素材も、多く取り入れていらっしゃるとお聞きしました。

 

「お米やお野菜、また栗旨豚という中津川のなどのお肉を使っています。

なるべくこだわっていらっしゃる方のお話や情報を聞いて、いいなと思ったものを使っています。

 

調味料は、お味噌は自分で作っています。

お味噌作り教室が色んなところでやっていて、それに参加してしまうので、使い切れないくらいに味噌いっぱいになりすぎちゃっています。近所に麹屋さんもあるので、なくなって欲しくないなと思います。」

 

いち川では、”長寿法”という意味の食事法「マクロビ」の食事も提供しています。

マクロビは玄米菜食を基本とした、体に負担をかけない、日本人に合った食事のことを指し、動物性のもの・白砂糖・化学的なものは使わずに、全粒穀物と地元の安心野菜を主に、 古式製法の調味料で作っています。

 

 

 

ーマクロビの食事を始めたのは、何がきっかけだったんですか?

 

マクロビを始めたのは、ちょうど16年前です。

コレを食べてはいけない、あれを食べてはいけない、とかではなくて、旬のもので、一から出汁をとって、化学調味料を使わないという点で、日本料理とリンクするなと思って、料理人と一緒に勉強し始めたのがきっかけでした。

 

私自身子供の頃からアレルギーがあったので、出産を機に食べ物について色々と気をつけるようになったんです。

それを機にお誕生日ケーキを作る時に、米粉を使ってみたり、白砂糖とミルクと卵と、使わないスイーツっていう可愛い本をみたり、圧力鍋で炊いた玄米のご飯をもらったりしているうちに、自分でもやりたい!とワクワクするようになりました。白砂糖を使わずにどうやって甘い味を作るのか、デーツやナツメヤシなど色々やってみるのが実験みたいで面白いなと思います。

 

お客さんでも、グルテンフリーの方も最近いらっしゃるので、天ぷらをひよこ豆の粉にするなどをして、なるべく対応できるようにしていきたいと思います。

 

 

ー大事にしてることはなんですか?

 

旬のものを使うこと、言い換えると「本物」であることを大事にしています。

「本物」というのは、日本料理だったら当たり前なんですけど、一から出汁を取る、という便利なものがなかった時代の本物のことです。

 

生産者さんも、例えばお味噌とかお醤油作っている方や、お塩やお酒もを作る方の意識も、そういう流れに変わって来ていると思います。

 

お花でも、その季節のものがたくさんあるときは、お花を育てたり、葉っぱとか山の木で生けたりしています。

それが造花でも、いいのがあって、あんまり差が分からないからそれでも良いからどうでもいいっていうのはしたくないんです。高価だから、とかではなくて、丁寧にやりたいですし、それが本物だと思います。

 

 

都市からお越しいただくお客様の中には、「新鮮な野菜を買いたい」、さらには「作っている人に会いたい」、「収穫体験をしてみたい」と仰る方がいます。何度か笠置町のFarmrootsさんを紹介させていただきました。これから、ご紹介できる農家さんと繋がっていけたらと思います。そんな輪が広がれば、お客さんと一緒にもっとワクワクを共有できるんじゃないかなっています。

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