アグリアシスト中野方
鈴村節生さん、林 茂一さん、安江建樹さん
農業人

なかがき農園
なかがき農園
恵那市街地より南へ約1時間。岐阜と愛知の県境に位置する串原は、恵那市の最南端にあたります。面積の80%が山林というだけあり、周囲を緑の山々が囲みます。
今回は、この地でご主人と共にトマト農家を営んでいる中垣野歩さんにお話を伺います。
ハウスで作業中の中垣さんに手を止めていただき、お話を伺いました。
●串原を初めて訪れた時の印象を教えてください
「街から遠い山奥だと思った」
食品加工に興味があり、高校卒業後串原の「山のハム工房 ゴーバル」に住込みで働いていた中垣さんですが、当初ずっと串原で暮らす予定はなかったといいます。しかし、同僚として働いていたご主人との出会いにより串原への定住、そして就農へと導かれます。
2017年にご主人がゴーバルを退職し就農。
元々ご主人のご実家が養豚と農業をされており、土地と機械が揃っていたことからトマト栽培を始められました。当初はハウス12棟程と、今より小さな規模からのスタートでした。
当時中垣さんはアパレル会社で接客業をされており、楽しく充実した毎日を過ごされていました。しかし、ご主人が就農した2年後に退職し、共にトマト栽培を始めます。

●なぜ一緒に農業をしようと思ったのですか
「主人が大変そうだったから。それから、作ったトマトがどこに行き誰が購入するのか、主人が知らなかったことに驚いて。私は、接客業で目の前のお客さんに『ありがとう』と言われるのにと。その後、市場に出せないトマトがもったいなくて知り合いや近所の方に買って貰うようになり、お客さんから直接『おいしい』と言ってもらえることが嬉しくて農業を始めるモチベーションになった。」
この規格外商品の買い手をさぐるきっかけと、お客様から直接感謝の言葉を頂ける喜びが就農に結びついたようです。
就農した中垣さんは、ミニトマトの栽培を始めます。
カラフルなミニトマトは、たべとるマルシェでも毎回人気の商品ですが、実は管理が大変なトマトとのこと。収穫やパック詰めに時間がかかるため、利益が少ないそうです。
しかし、中垣さんは「なかがき農園のミニトマトは、私とお客さんを繋ぐアイテム」と大切にしています。

中垣さんは、農林水産省「農業女子プロジェクト」メンバー、岐阜県「女性農業経営アドバイザー」であり、恵那市「たべとるマルシェ」運営実行委員会の会長にも就任されています。
更に2020年には、農業者同士の交流の場として831(やさい)企画を立ち上げるなど精力的な活動をされています。
「就農当初、農業者の友人がいなかった。ネットで調べて自分で出向いて飛び込まないと、同じ立場の方に会えなかった。農業女子プロジェクト・女性農業経営アドバイザーとしては、女性農業者を増やすことや農業のPRを目的に考えていたけれど、だんだん気持ちが変化していき、女性が抱える悩みを集まることで解消しようと思うようになった。しきたりや組合では解消できない、むしろそれらがあることで生まれるストレスもある。今農業をやっている人たちが悩みを解消し、追い詰められることがないようにしたい。」
また、831(やさい)企画の立ち上げにより、同世代就農者との繋がりを築いていきます。
「次々に収穫される規格外商品を売るには、知人が少なすぎると思った。例えば100kgの規格外商品が出ても、100人の方に1kg買っていただければ終わると考えた。就農後2年くらいは呼ばれたらどこへでも行った。主人は農園の経営、自分は人との繋がりを創るのが役目。」

●今後について、どのような目標をお持ちか教えて下さい
「農業をやっている若い人たちが、コミュニティとして農業を続けられる『しくみ』が必要だと考えている。収入やストレスで継続できない現状を変えたい。そうすることで新規就農者のサポートができたらと。好きな野菜を好きなだけ作っても売る先があるという安心感につながることがしたい。」
自分の農園のことと仲間の農園のことを一緒に考える。皆が農業を続けられる『しくみ』を構築する。
就農してからこれまで積極的に繋がりを築いてきた中垣さんがだからこそ、掲げる目標もやはり仲間なしでは考えられないようです。
【販売情報】
なかがき農園の最新情報はInstagramから発信中
https://www.instagram.com/nakagakinouen/