恵那の食に挑戦する 農業人

えな笠置山栗園

鈴村 猛さん

  • 農業人

 

恵那市では栗きんとんなどの栗菓子が有名で、栗の栽培は収量・美味しさともに全国でもトップクラス。収穫量は年々増加しており、栗の生産や加工は全国から注目を集め、視察研修に多数の人が訪れています。

 

恵那市にはたくさんの栗農家さんがいらっしゃいますが、その中でも最大の面積を誇り、日本一の生産量・日本一の味など「めざせ日本一」をキャッチフレーズに16haの農地で栗を栽培されている、株式会社 えな笠置山栗園の代表・鈴村猛さん(写真左から3人目)にお話を伺いました。

 

ーえな笠置山栗園さんが作っている栗について教えてください。

「いまうちで栽培している栗の品種は、丹沢・筑波・えな宝来・えな宝月・ぽろたん、など8種類です。

 

えな宝来は平成26年に開発された新品種で、収穫が8月下旬からととても早く、渋皮も剥けやすいので栗きんとんの加工にもってこいの品種なのです。えな宝月も同じく新品種で、栗の収穫できなくなる秋の端境期に採れるように改良されたものなんですよ。

 

ぽろたんは名前の通り皮がぽろっと剥けます。焼き栗に向いている品種です。

JAや食品会社、ネットなどに販売していて、今のところ生産量は年間3t。6500本の苗木をやっと植え終わったところですから、これから収穫量はどんどん増えていく予定です。最終的に50tの出荷を目指しています。

 

 

ーネット販売されている「おやすみ栗」というのを拝見しましたがこれってなんですか?

これは2℃の温度で一定期間熟成させた栗で、熟成させることで甘みやうまみが増し、通常の栗よりも付加価値が付き高単価になるんです。

販売を請け負ってくれる業者さんにネット受注は任せて、出荷はこちらでやります。お客様の数が多いので、かなり売れます。出荷作業は大変ですが(笑)。

 

栗園05

 

ーえな笠置山栗園ができた経緯を教えてください。

「笠置山にかつてグリーンピア恵那がありましたよね。そこがなくなって、跡地を利用するという話になったんですが、市の方から栗園にするプロジェクトが立ち上がりました。

 

私はもともと栗農家をしていたので、中心メンバーになっていました。その流れで仲間が集まり、ちゃんと稼いでいこうという覚悟を込めて株式会社という形になったんです。

 

恵那や中津川では栗が有名ですが、栗菓子が売れていくのになかなか栗の生産が追い付いていないのが現状です。栗菓子生産では恵那市のお菓子屋さんだけ見ても膨大な量の栗を使うので、全部を恵那の栗でまかなうのは今のところ難しいのです。もっともっと恵那の栗を菓子屋さんに提供できるといいなと思っています。」

 

栗園03

 

ー作物を育てる中で、工夫していることやこだわっていることはありますか?

「岐阜県は栗の栽培に関してかなり研究が進んでいて、『岐阜県方式』という栽培法が全国的に普及しているくらいなんですね。うちでもこの岐阜県方式を採用しています。

 

低く剪定して横に広がるように仕立てることにより、実は太陽をたくさん浴びて甘くなりますし、収穫をするこちら側も樹高が低いので作業が楽なんです。

 

またこだわりではないですがここは笠置山の中腹で標高が650mほどあります。低い地域とはまた違った特徴の栗ができるのではないかと思っています。

 

また剪定で出た枝などは、堆肥にしてまた循環させています。なるべく無駄のないように資源を循環させていきたいですね。」

 

ー栗は栽培期間が40年ととても長いですよね。

「そうなんです。収穫できる期間は長いのですが初めての収穫までに4年ほどの時間がかかる課題もあります。

だいぶ先まで見越すと、栽培と同時に次世代のリーダーを育てることもしていかなければならないですね。

東美濃栗栽培振興会に、栗剪定技術認定制度という、人に教えられる指導剪定士などを育てる仕組みがあります。こういった制度を使って、若い世代の方にもどんどん技術を教えて、『栗のプロ』を増やし、栗の生産を発展させていきたいと思っています。」

 

栗園07

 

ーこれから挑戦したいことや、夢を教えてください。

「目標は3つあります。

1つめは地域活性化のための雇用を生み出すこと。しかも、日本一楽しい働き場を目指したいと思っています。また栗を使った観光事業も地域活性のためにやってみたい。栗をコンセプトにした施設があって、そこに全国各地からお客さんがやってきたらにぎわいのある町になっていくんじゃないかなと。

 

2つめは恵那栗のブランド化。まだまだ全国的にはネームバリューがない恵那栗ですが、どんどん世に出して恵那栗の名を広めたいですね。

 

3つ目は個人の農家を増やしていきたい。恵那栗の生産量を上げるためには、個人の農家さんがたくさん増えることが不可欠です。恵那には栗栽培への助成制度があり、栗の新規農家に対して4年間の補助があるのでハードルは低いはず。でも最初の田んぼからの転換・造成がネックになっているので、そこをクリアして恵那の栗農家がどんどん増えていけばいいなと思っています。」

 

栗園07

 

 

生産者情報

えな笠置山栗園

TEL 0573-32-1598
ホームページ http://kasagiyama-kurien.jp/

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