ぜんちゃんふぁーむ
吉村 悟さん
農業人
明智ジェネティクス
写真:左/加藤さん、右/山田さん
2020年(令和2年)の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀ゆかりの地、岐阜県恵那市明智町。
明智町の中心部から外れ、緩やかな坂を登った先に見える「明智ジェネティクス株式会社」。一品種の銘柄豚では、日本で指折りの出荷量をほこる「和豚もちぶた」を育てる養豚場です。
養豚の仕事に誇りを持ち、毎日豚と向き合っている、山田 幸一さんと加藤 大輔さんにお話を聞いてきました。
−明智ジェネティクスのこだわりや、特徴を教えてください。
グローバルピッグファームの関連会社で、「和豚もちぶた」生産農場です。
グローバルピッグファームには、80近くメンバー農場があり、弊社は浜名湖地区の種豚供給拠点でした。
明智ジェネティクスとしては、肉豚を生産するのはもちろん、育種改良して種豚の販売も行う会社です。
新潟の関連農場から導入した豚は「ランドレース」「大ヨークシャー」「デュロック」の3種類で、これらをかけあわせて三元豚(※)を生産しています。銘柄は「和豚もちぶた」といいます。
また、「ランドレース」「大ヨークシャー」のかけあわせによるF1(交雑種)を生産し、関連農場へ種豚(母豚)として販売もしています。
※三元豚…日本で飼われている純粋品種の豚は、ランドレース、大ヨークシャー、中ヨークシャー、バークシャー、ハンプシャー、デュロックの6種類。これらのオス・メスを何世代にもわたって交配させ、風味・品質・食感などをより良いものへと追求したのが「交雑種」の豚。三元豚はこのうち3つを掛け合わせた豚のことで、「三元交配豚」とも呼ばれます。
−明智ジェネティクスで特に大切にしている、飼育のこだわりはありますか?
健全な豚を育てることですね。消費者の皆さんに「おいしい」と言ってもらえる豚を育てることが第一。健全な豚を育てて、食卓まで届けることにこだわっています。
−日々豚と向き合い、おいしい豚を届けたいという気持ちが伝わりました。現在の職場環境や、状況はどうですか?
コロナ禍で、若手が集まらないことがさみしいですね。養豚の面白さを若い人にもっと知ってもらい、次の世代に伝えていきたいと思っています。
まず、恵那市に養豚をしている会社があるということを若い人たちに知ってもらいたいですね。
養豚と聞くと、ほとんどの人が汚い仕事だとイメージすると思いますが、そればかりではないんですよ。豚は手間をかけて、愛情を持って面倒を見れば必ず応えてくれます。子豚を多く産み、お乳もたくさん出してくれます。
豚を育てるという面白味というのは、やってみないとわからないと思うので、若い人にもどんどんチャレンジして欲しいですね。
−おいしい豚を食卓に届けることを大事にされているお二人が、消費者の私たちに期待することはありますか?
国産の豚の美味しさを知って欲しいですね。
スーパーなどには輸入された豚肉が多く出回っていて、ほとんどの方は値段の安い外国の肉を買うことが多いのではないかと思います。ですから、私たち生産者は、もっと皆さんに国産の豚肉の美味しさを知って欲しいと願っています。
特別な日だけに国産のおいしい豚肉を食べるのではなく、もっと日常的に食べてもらいたいですね。
−山田さん、加藤さんが生産者として今後目指していくことはありますか?
私たちは生産者として、皆さんに本当においしい国産の豚肉を味わっていただくための努力を惜しみません。養豚の仕事に誇りを持ち、これからも豚と向き合っていきます。
「日本一おいしい豚肉を作ろう」これからもずっと。
【生産者情報】
社名 明智ジェネティクス株式会社
代表者名 桑原 政治
従業員数 11名
会社の敷地面積 約45,000㎡
飼育数 母豚 600頭 子豚5,400頭(見込み) (2021年1月現在)
生産体制 一貫経営
住所 恵那市明智町1001
ホームページ http://www.gpf.co.jp/ (グローバルピッグファーム株式会社ホームページ)
http://www.gpf.co.jp/co-division.html(明智ジェネティクス株式会社記載ページ)
取材日 2020年(令和2年)12月22日
明智ジェネティクス