恵南こんにゃく生産組合
後藤 順一さん
農業人
美濃酪農農業協同組合連合会
酪農生産者が丹精込めて搾った生乳を原料に、「安全・安心・新鮮で美味しい」という理念の下、牛乳・乳製品の製造・販売を行う「美濃酪農農業協同組合連合会」。
岐阜県内の酪農家114戸中、53戸が所属しています。(H30.4.10現在)
恵那市の酪農家が絞った生乳は、『産地限定みのじ牛乳』や『ひるがの生乳100ヨーグルト』などとして食卓に届けれられる他、美濃酪牛乳は県内の学校給食用牛乳の約55%を占めています。きっと多くの人がこの牛乳を飲んで育ったのではないでしょうか。
美濃酪農農業協同組合連合会の西尾牧場さんと、東濃直売所を訪ねました。
ー西尾牧場のはじまりについて教えて下さい。
「昭和40年代のはじめごろから始まりました。この牛舎は、昭和58年に夫が建てたものです。わたしはここへ嫁いできて、牛と関わっているうちに、一緒にやってみようと思うようになりました。
現在は、ホルスタイン種の搾乳牛45頭・育成牛3頭と、黒毛和種の繁殖雌牛1頭・仔牛5頭を飼養、家族で経営しています。」
ー毎日、どのような作業をされているのですか?
「繁忙期は、朝5時半から給餌、除糞、搾乳、哺乳、清掃といった作業が始まります。8時半ごろに朝食をとって、そのあと畑で牛の牧草づくり、14時ごろから牛舎の作業、16時ごろからまた朝と同じ作業を行い、夜は21時と23時に見回りをしています。1日に、1頭30〜40kgほどの牛乳を絞るんですよ。
生き物を相手にしているので、基本的に休みはありませんし、自分の体がえらくても休めません。うちでは1頭が1年1産を目指していて、やっぱり子どもが無事に生まれてきたときは本当によかったなといつも思います。それだけは長年やっていても緊張するし、ほっとしますね。仔牛は、娘の優子が担当しています。」
ー優子さんは、子どもの頃からこうして働くことを考えていたのですか?
「私は恵那農業高校に通っていました。動物が好きで、将来はそういう仕事に就けたらなという気持ちはありました。
高校3年生の時、ブラジルとオランダに行く機会があって、海外の農業を見て回りました。家はこうして農家ですが、農家さんの話を聞くことはそれまであまりなくて、改めて農業について考え、自分もやってみようかなと思ったことがきっかけです。
その後、岐阜県農業大学校に進学し、2年間海津市の牧場で働いて実家に戻ってきました。農家の件数が低下しているので、やっぱり寂しいなという気持ちもあります。この仕事の魅力は、自分がやった分が返ってくること。乳量、質、牛の健康など、手をかければしっかり返してくれて、成果が見えることをやりがいに感じています。」
ー西尾牧場の特徴的な取り組みとしてはどんなことがありますか?
「『酪農教育ファーム』という認証を受け、酪農を通じて食や仕事、いのちの大切さを学んでもらう体験学習活動を行っています。
3年前から、東濃牧場で、山岡小学校の児童にバターづくり体験を行っていますが、皆さんおもしろくて仕方がない様子で楽しんでもらっています。
他には、岩村町富田地区で、自家堆肥を活用した飼料作物の生産、東濃牧場内の東濃まきば館の運営もしています。」
ー今後取り組みたいことや、目標を教えて下さい。
「酪農家が減少しているので、酪農を守り、続けていきたいです。やはり美味しい牛乳は、安全で安心で新鮮であること。生産者の顔が見え、飼料管理がわかることが大切だと考えているので、これからも多くの地元の方に飲んでもらえるよう、みのじ牛乳や牛のことを知ってもらえるよう努力していきたいと思います。」
【販売情報】
産地限定「みのじ牛乳」をはじめ美濃酪の商品は、中津川にある直売所(JAひがしみの中津川グリーンセンター敷地内)で購入が可能です。